宇宙居住研究

将来世代の人類の太陽系内外惑星での居住を想定し、宇宙建築物のあるべき様をデザインする。また、居住可能な太陽系内外の惑星に関する情報収集を行う。

(ルナーグラス 鹿島建設 大野琢也)

人類が太陽系内の他の天体での居住を現実のプロジェクトとして立案し、実施に向けて動き出す時代となりました。

宇宙での居住を考える際に、さまざまな克服すべき問題点が存在するはずです。まずそもそも、地球以外の惑星には「海」がありません。また、「大気」の成分も異なり、気圧も異なります。それらから、まず惑星表面での温度が全く異なったものになります。そのような環境では、人類および地球上の生命が絶対に必要な「液体の水」が確保できません。また、酸素がなければ生きてゆけません。もちろん、食料も大切です。これら、「生命維持装置」を備えることが、宇宙での居住の最低条件です。

さらにそれらが確保できれば、次に地球での生活の「何」が必要かを考えてゆく必要があるでしょう。宇宙に都市を作る場合、それは完全な人工物なのか?あるいは地球の「自然」の一部を持ってゆくことが可能なのか?他の惑星にはない、地球を特徴づける地球のエッセンスとは「海」「森林」そして「砂漠」でしょう。これらが全くない別の惑星に居住環境を設けるためには、その惑星の条件をベースに、どのように「生命維持装置」を構築できるかを考えてゆかねばなりません。

ところで、仮に上の「生命維持装置」が確保できたとしても、人間やその他の生物が暮らすために必須であるにも関わらず、地球からは決して持って行けないものがあります。それは、地球の重力(1G)です。重力がないと、哺乳類はうまく誕生することができない可能性があります。また、誕生できても低重力では正常な発育は望めないでしょう。血液を作り出す骨の健康が損なわれ、血液の健全性にも影響するともいわれています。低重力の弊害は、動物に限らず植物でも同じかもしれません。また、低重力下で成長すると、地球では自力では立てない体になります。つまり、脚力の弱い「月面人」、「火星人」を生むことになりそうです。これは将来、コミュニティの希薄化を生み、ひいては紛争の原因になるかもしれません。遠い将来は別としても、今いきなり『低』重力下に住むのは、人類にとって危険過ぎると考えています。

(マースグラス内観 鹿島建設 大野琢也)

本研究グループにおいては、上記の惑星のエッセンスに則した「生命維持装置」を持参するとともに、宇宙空間や月面、火星面において地球環境に近い重力を発生する、回転を利用した「人工重力」施設と施設間の交通機関、さらに天体間を結ぶ「人工重力」移動施設が有用であると考えています。普段はそうした施設で暮らすようにし、仕事や研究、レジャーを行う時にだけ、月や火星ならではの低重力、宇宙空間での微小重力を楽しむようにできれば良いと考えます。この施設によって、人類は安心して子供を産み、いつでも地球に帰還できる身体の維持が可能となります。“宇宙でも人類には重力1Gが不可欠”という認識の下、本研究グループでは人類の宇宙進出を支える、「人工重力ネットワーク」を提案し、研究をすすめます。

また同時に、「火星のテラフォーミング」についても、研究テーマとして設定しております。人類が火星に居住することが果たして可能なのか?その火星を地球のように作り替えることがそもそも可能なのか?そしてその世界は?

さらに、「居住可能な惑星」とは何か?何が必要なのか?を広く考えてゆくためのデータベースを構築しています。それが「太陽系外惑星データベース – EXOKYOTO」です。このデータベースにおいては、海洋が存在できる可能性のある惑星をリストアップしております。また、太陽系内惑星の居住可能性についても紹介しております。

以下、テラフォーミングと未来の惑星居住の想像を込めた動画をご覧ください。

動画 テラフォーミング ダイジェスト